Healthy Habits 12_身体活動 2
今回は、日本の小学生は夏休みになると運動量がどう変化するのかという論文です(※)。
背景
日本の子どもの肥満有病率は1980年代に比べて高くなっている。
身体活動と座りっぱなしの時間の長期的な変化を調べることは、身体活動を促進するなどの介入をする上で重要。
方法
東京と京都の公立小学校209人、2011年の5月と7-8月に情報収集
三軸加速度計を用いて座りっぱなしの行動と身体活動を評価
加速度計を7日間連続して使用
身体活動と座りっぱなしの時間の変化に関連する要因も調べた
結果
・座りっぱなしの時間は男女とも夏休みの方が有意に多かった
・身体活動量と歩数は男女とも夏休み中に減少した
・非歩行時の身体活動は夏休みの方が有意に低かった
・男児の非歩行の身体活動の減少と、女児の座りっぱなしの時間の増加は、スポーツを行っていた児の方が有意に低かった
・寝室にテレビがあると男児は座りっぱなしの時間が多くなった
結論
男女とも日本の小学生は夏休みに活動的でなくなる
スポーツへの参加と寝室のテレビが有意な調整因子だった
学校があるときは、登下校や体育の授業、休み時間など体を動かす機会が多いです。
昔の夏休みと言えば外で虫取りをしたり、走り回ったりというイメージがありますが、最近の夏は猛暑が続いておりこの論文の結果は頷けます。今回の調査ではスイミングやサイクリングなどを正確に評価できていないことがlimitaionとして挙げられていました。
夏休み中に体を動かすには海水浴やスイミング、朝や夕方のお散歩などでしょうか。
小学生の子どもの運動量は、夏休みになると減ってしまうと認識しておきましょう。
(※)Tanaka C, Reilly JJ, Tanaka M, Tanaka S. Seasonal changes in objectively measured sedentary behavior and physical activity in Japanese primary school children. BMC Public Health. 2016;16(1):969.
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