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善導寺こどもクリニック

木の実類アレルギーが増加

Healthy Habits 55_食事10


今回は、令和6年度食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業 報告書(※1)を取り上げます。木の実類アレルギーが増えていることに関してです。

原因食物

子どもの食物アレルギーと言えば、卵・牛乳・小麦が主な原因として知られています。

しかし、近年木の実類が徐々に原因としての存在感を増してきており、今回の令和6年度の報告書では、第1位 卵、第2位 クルミ という状況になっています。

また、木の実類のなかでは、クルミの次に、カシューナッツ、マカダミアナッツ、ピスタチオ、アーモンドが原因として多くなっています。

初発例の年齢別原因食物

最近、問題になっていることは、大きくなってから木の実類アレルギーが発覚することです。下の表3の通り、3歳~17歳においての初発原因の1位はクルミでした。

アナフィラキシー

木の実類アレルギーのとても厄介な点は、アナフィラキシーを起こしやすいことです。

特に、カシューナッツやクルミはアナフィラキシーを起こしやすいことが知られています。

2022年の報告では(※2)、15歳未満の小児アナフィラキシー患者の原因食物第1位はクルミということがわかりました。しかも年々増加傾向にあります。

 

2025年1月現在、クルミは「特定原材料」に指定されているため、加工食品の表示義務があります(2025年3月31日までは経過措置期間)。しかし、カシューナッツやマカダミアナッツは「特定原材料に準ずるもの」として表示は任意表示となっていますので知らないうちに食べてしまう可能性があります。(カシューナッツの表示義務化検討中とのこと(※3))

当クリニックでも、木の実類アレルギーで受診されるお子さんの数が明らかに増えています。

アトピー性皮膚炎のコントロールが悪い方、卵アレルギーなどの食物アレルギーを持たれている方などで木の実類を全く食べたことがない方は注意が必要と知っておくことが大切です。

(※2)北村勝誠, 伊藤友弥, 伊藤浩明. 愛知県の小児アナフィラキシー全数調査における木の実類の増加について. 日本小児アレルギー学会誌 2022 ; 36 : 141-147.

(※3) 新井消費者庁長官記者会見要旨

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