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お知らせ

中学生・高校生の睡眠時間、精神的健康(うつ・不安症状)との関係

  • 善導寺こどもクリニック
  • 4月16日
  • 読了時間: 3分

Healthy Habits 67_睡眠12


今回は、日本の中学生・高校生を対象にした、睡眠時間と精神的健康に関する研究を取り上げます。(※)

Introduction

思春期になると睡眠時間が短くなり、特にアジア諸国では睡眠不足が問題となっている。また、うつ病や不安障害などの精神疾患の発症率も増加する。短い睡眠時間が精神的健康問題と関連していることが示されてきたが、思春期において精神的健康を保つために必要な具体的な睡眠時間については明らかにされていない。本研究では、日本の中高生を対象に、性別と学年ごとに学校のある日の最適な睡眠時間と精神的健康(うつ・不安症状)との関係を調査。

Methods

2006年に三重県と高知県で実施された中高生(7〜12学年=中1~高3)を対象とする学校ベースの横断的調査データを用いて行われた。

19,436人の生徒が対象となり、最終的に15,637人(男51%、女49%)のデータが分析に使用された。


参加者は自己記入式の質問票により、平日の睡眠時間、就寝時刻・起床時刻、就寝の規則性、精神的健康状態について回答。精神的健康の評価には、うつや不安症状を測るGeneral Health Questionnaire-12 (GHQ-12)日本語版を使用し、スコアが4以上を精神的健康に問題ありと定義。


統計解析では、性別および学年(中学生:grade7〜9、高校生:grade10〜12)ごとに分類して、睡眠時間と精神的健康の関係を分析した。ロジスティック回帰分析に加えて、General Additive Modelを用いて睡眠時間とGHQ-12スコアの非線形な関係を評価し、精神的健康を最も良好に保つ最適な睡眠時間を推定。

Results

・Grade7-9(中学1年~3年)では7.5~8.5時間の睡眠時間が最も多かった

 Grade10-12(高校1年~3年)では6.5~7.5時間の睡眠時間が最も多かった

学年が上がるにつれて、就寝時刻は遅れ、睡眠時間は減少した。

中1から高3までの5年間で、睡眠時間は男性で7.9時間から6.8時間に、女性で7.5時間から6.6時間に減少した。


・睡眠時間を1時間間隔で分類したところ、GHQ-12スコアが4以上であった割合は、男性で8.5~9.5時間、女性で7.5~8.5時間の睡眠をとった者で最も低かった。


・睡眠時間が7.5時間未満であった男女では、学年を問わずGHQ-12スコアが[基準]より有意に高かった。

・GHQ-12は、[基準]よりも睡眠時間が長い青年(2.0%~13.5%)で悪化する傾向があった。

 ※男性8.5~9.5時間、女性7.5~8.5時間をそれぞれ[基準]と設定


・GHQ-12スコアが最小となる睡眠時間は、男性ではgrade 7-9で8.8時間、grade 10-12で8.5時間、女性ではgrade 7-9で8.0時間、grade 10-12で7.5時間と推定された。

Discussion

Limitation

・横断的データであり因果関係が不明瞭

・自己申告による睡眠時間

・睡眠時間の不規則性の評価が不十分

・社会経済的状況、遺伝情報に関するデータは含まれていない

 

中学生・高校生男子では、8時間半睡眠を一つの目安として持っておきましょう。

8時間半の睡眠時間を満たすためには、6時半に起床するとしたら22時就寝となります。

これがなかなか現実的には難しいという私たちの共通認識が少しずつ変わっていけばいいですね。


(※) Ojio Y, Nishida A, Shimodera S, Togo F, Sasaki T. Sleep Duration Associated with the Lowest Risk of Depression/Anxiety in Adolescents. Sleep. 2016;39(8):1555-1562.


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