Healthy Habits 8_食事 3
今回は、朝食を食べる子と食べない子の食事の質を比較した論文です。(※1)
2018年に米国から報告されたものです。
背景
朝食の摂取は子どもの成長と発達に影響を与えることが示されているが、朝食抜きが1日の総摂取量に与える影響についてはわかっていない。朝食を食べる子と食べない子で、栄養摂取量にどのような違いが出ているのかを調べる。
対象/方法
期間は2005年から2012年。
2~5歳(3443人)および6~12歳(5147人)について、食事回想データを評価。
食事摂取量と食事の質スコアを朝食摂取と朝食抜きで比較した。
結果
・2~5歳では4%が、6~12歳では14%は朝食を抜いていた
・朝食を抜いた子どもは、1日の総エネルギー摂取量が有意に低かったが、朝食以外の食事や間食からのエネルギー摂取量が多かった
・朝食を抜いた子どもは、1日の摂取量のほぼ40%を間食から摂取しており、加糖の摂取量が多かった
・朝食抜きは、食物繊維、葉酸、鉄、カルシウムの摂取量の有意な低下に関連
・食事の質は、朝食を食べる子どもで有意に良好だった
結論
朝食を抜いた子どもは、全体的な食事の質が悪かった
令和5年度全国学力・学習状況調査報告書によると(※2)、日本の小学生の83.7%、中学生の78.6%が毎日朝食を食べていると回答しています。
この論文では、6-12歳で14%が朝食を抜いていたという結果なので、86%は朝食を食べているということになります。同じ調査法ではないので単純比較はできませんが、朝食を食べていない子どもたちの割合は近い結果です。日本の子どもたちも同じような結果が出てくるかもしれません。
子どもの朝食摂取は、学校成績、認知機能、学習意欲、記憶力などの向上、過体重のリスク減など色々な良い点があることがわかっています。何よりも大切なことは毎日の習慣だと思います。この論文でも幼児期からの食行動はその後も続く可能性が高いと述べられていました。
(※1)Ramsay SA, Bloch TD, Marriage B, Shriver LH, Spees CK, Taylor CA. Skipping breakfast is associated with lower diet quality in young US children. Eur J Clin Nutr. 2018;72(4):548-556.
(※2)https://www.nier.go.jp/23chousakekkahoukoku/report/data/23qn_k.pdf(2024年1月10日アクセス)
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