Healthy Habits 61_総論8
今回は、「24時間行動ガイドライン」のアジア版(※)を読んでみました。
「24時間行動ガイドライン」は、身体活動・座位行動・睡眠・食事などの行動を統合する考え方で、非感染性疾患(noncommunicable diseases: NCDs)を小児期から積極的に予防したいという目的があります。
NCDsとは心血管疾患、がん、慢性呼吸器疾患、糖尿病などの慢性疾患のことであり、ライフスタイルに起因することが多い疾患です。
「24時間行動ガイドライン」は、2016年にカナダ、2019年にオーストラリア、2021年にシンガポールで導入されています。
今回読んだものは、アジア太平洋地域の子どもたち5-18歳を対象にしたものです。
【主な推奨事項】
1.24時間の活動バランスの統合
1日の中で、適切な身体活動、座位行動の制限、十分な睡眠、健康的な食事 を組み合わせることが重要。
2. 中等度~高強度の身体活動(MVPA)
1日平均60分以上の中等度~高強度の身体活動を推奨。学校、家庭、地域社会での運動やスポーツを促進。
3. 筋力・骨強化運動
週3回以上の筋力・骨強化運動(ジャンプ、スクワット、体重を使った運動など)。
4. 軽度の身体活動
できるだけ頻繁に軽い活動(立つ、歩く、家事、屋外遊びなど)を取り入れる。
5. 身体活動時の安全対策
適切なウォームアップ・クールダウン、十分な水分補給、適切な服装や靴の着用 など、安全に配慮する。
6. 画面視聴時間の制限
娯楽目的のスクリーンタイム(テレビ、スマホ、タブレット)を1日2時間以下に制限。
7. 長時間の座位を避ける
30~60分ごとに立ち上がったり、体を動かしたりする休憩を取る。
8. 睡眠時間の確保
5~13歳:9~11時間、14~18歳:8~10時間 の睡眠を推奨。
夜間に十分な睡眠をとることを推奨し、昼寝よりも夜の睡眠を優先。
9. バランスの取れた栄養摂取
適切なエネルギーと栄養を摂取するために、健康的な食事を心がける。
食物繊維、タンパク質、ビタミン、ミネラルを含むバランスの取れた食事 を推奨。
砂糖の摂取を抑える(総エネルギー摂取量の10%以下、理想的には5%以下)。
10. 全ての推奨事項の実践を目指す
身体活動・座位行動・睡眠・食事のすべてを改善することが、最適な健康状態のために重要。すべての推奨事項は同等の重要性を持っている。
これらの基本は家族単位である。養育者は、推奨事項を満たすことを目標に、徐々に推奨事項を生活習慣に取り入れるよう子供たちを導き、励ますのに適している。小児期に身につけた健康的な生活習慣は、健康な成人への健全な土台となる。
Healthy habits inculcated in childhood lay a sound foundation to a healthy adult.

(※)Loo BKG, Okely AD, Pulungan A, Jalaludin MY; Asia-Pacific 24-Hour Activity Guidelines for Children and Adolescents Committee. Asia-Pacific Consensus Statement on integrated 24-hour activity guidelines for children and adolescents. Br J Sports Med. 2022 May;56(10):539-545.
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